2016年(平成28年)1月23日(日曜日)・雑記「格安ツアーの夜行高速バスは本当に危険なのか?」
2016年(平成28年)1月23日(日曜日)・雑記「格安ツアーの夜行高速バスは本当に危険なのか?」
-天気-
晴れ
-雑記-
タイトル:格安ツアーの高速バスは本当に危険なのか?
サブタイトル:てんかん患者は自動車を運転してはいけないのか?
インターネット上で2002年の改正道路運送法の適用で格安ツアーの高速バスの事故事故が増えたという都市伝説が流布している。
それまではバス会社は免許制であったが許可制に移行された。
しかし、バスの交通事故が増えて社会問題となった。
果たして本当だろうか?
*1 : 交通事故発生件数・死者数・負傷者数の推移
次はバスの事故件数(*2)だけを抽出して見てみよう。
*2 : バスの重大事故発生状況の推移
バスには街を回る循環バス(ルートバス、シティバス、巡回バス、高速バス)の乗合バスとツアーバスなどの貸切バスの2種類に分けられている。
軽井沢バス事故の高速バスはツアー会社が手配して貸切バスだった。
格安バスは今回はたまたまツアーバスだったが、夜行バス、夜間バス等の格安バスは乗合バスなので、如何にも今回たまたま格安バスが貸切バスだったので交通事故発生件数は増えていないように見えるが、格安バスと言えば乗り合いバスなので、この突出した乗合バスの事故件数の急増を無視するわけにはいかない。
なぜ乗合バスの事故件数が急激に増えたのか因果関係を分析しないと今回の軽井沢バス事故、淡路島バス事故の根源にまではたどり着けない。
乗り合いバスの事故件数が急増した理由は、
「3年後の平成17年に故障車両も事故件数に加えるようになった」
規制緩和の3年後に交通事故発生件数の統計の基礎データが変わっていた。
統計の基本となる基準が変わったので乗り合いバスの事故件数が急増したというわけだ。
規制緩和と交通事故の因果関係を調べている中で、突出して事故件数が急増している数値があった。
それは事業用自動車で、それも運転手の健康状態に起因する事故発生件数の推移(*3)である。
*3 : 運転手の健康状態に起因する事故発生件数の推移
格安ツアーバスの事故件数は増えてない。
増えているのはプロの運送業者の社員の高齢化による事故の方が社会問題と成り得るというか現に社会問題としてグラフに上がってきている。
-総論、考察、編集後記-
メディアは格安バス会社を叩くより、高齢者の運転の危険性を社会に訴えるべきだと思った。
あと財団法人国際交通安全協会が発表したペダルの踏み間違え事故類型別事故の年齢層別構成率(*4)によると単独事故は確かに高齢者が突出しているが、相互事故では若者の20から24歳の若者が単独事故の高齢者と同件数程度のペダルの踏み間違えで交通事故を起こしている。
*4 : ペダルの踏み間違え事故類型別事故の年齢層別構成率
高齢者のペダルの踏み間違えによる事故件数と若者のペダルの踏み間違えの事故件数が同数であり、高齢者が決してペダルの踏み間違え事故の大半を占めているわけではないことが分かる。
メディアの取材、報道姿勢をどうかと思う。結論ありきの記事で、どうしても格安バス=規制緩和が悪い、ペダルの踏み間違えは老人に多いという間違った偏った印象を国民に与えるのはどうかと思う。
てんかん患者が交通事故を起こす件数より、突発性の心臓発作で交通事故を起こしている人の方が多い。
警察もてんかんにいる交通事故として事故処理は出来ないはずだ。
以上